エンデューロは自然の地形をそのままコースにしたレースで、走り切った着順を競うのが基本的なルールです。
そこからさらに細分化でき、純粋に速さを競うクロスカントリーと、今回説明するオンタイム制があります。
このオンタイム制エンデューロについて解説します。
オンタイム制エンデューロとは
オンタイム制エンデューロは単純に着順を競うレースとは異なります。そのため、慣れないうちはわかりづらいかもしれません。
しかし、ルールが理解できれば、クロスカントリーとはまた違った楽しみを持ったレースです。
ヨーロッパで開催されるISDE、シックスデイズエンデューロと呼ばれるレース競技のフォーマットがオンタイム制エンデューロと言われています。
ざっくり説明すると、いくつかあるタイムアタック区間でタイムを計測し、その合計タイムが一番少ないライダー(チーム)が勝利となるレースです。
クロスカントリーと比べると1周のコースが25~65kmと長く、その1周の中でタイムアタック区間が複数ありますが、そのタイムアタック区間を「テスト」と呼びます。
テストとテストの間の移動区間はルートまたはリエゾンなどと呼ばれており、競技者は移動区間から決められた時間内にテストへ到着しなければなりません。
これは、レースに参加する競技者が一斉に走っているとテストが順番待ちになってしまい、レースが成立しなくなってしまうからです。
そのため、多くのレースでは3人1組が1分おきにスタートします。最初の3人がスタートしたら1分後に次の3人がスタートしていくという感じです。
間隔を保つためにコースごとにタイムチェックと呼ばれる場所があり、ここに時間より遅く着くと遅着、早く着くと早着といいます。
早着や遅着1分ごとに60秒のペナルティが加算されます。早着はコントロールできますが、遅着は難しいところです。これをいかにギリギリに設定するのがコース設定者の醍醐味といえるでしょう。
つまり、決められた時間で完走するレースだからオンタイムと呼ぶわけです。
オンタイム制エンデューロを楽しむポイント
3人1組でテストへ向かうわけですが、テストは1人1人別々にスタートしていきます。理論上、1分後に次のグループが来るわけなので、10秒間隔でタイムアタックする形です。
そのため、テスト内で追い抜くことがあれば、抜かれることもあり得ます。
とはいっても、テストは2分から5分、長くても10分程度です。実際は前後のライダーを見ることなく終了することがほとんど。
他のレースのように接触によるリスクは比較的少ないといえるでしょう。
また、テストを先にゴールしたらいいというわけではなく、最終的な順位は複数あるテストの合計タイムを競うため、レース中はスピードよりミスを減らすことが重要になります。